2006年カンヌ国際広告祭
|
日本と海外は違うと思っていた。
会社の先輩方が口々に言う「海外は〜」という話を聞いて、
日本の広告の悲しい現状を僕も少し悲しく感じていた。
今回、日本代表という素晴らしいチャンスを得て、
初めてふれた「海外」は、全然違う印象だった。
スーパーには歯ブラシだけで数十種類の商品が並んでいるし、
テレビでみる広告だって、つまらない普通の広告だった。
マーケットもクライアントもきっと大差はないし、
色んな条件のスキマからクリエイターがヒットを打ちに行く。
そういう構図は全く一緒だと思った。
っていうか、国なんて全く関係ないじゃんか、と思った。
ヤングクリエイティブで各国の若者と戦っても同じ事を感じた。
みんな作ることが好きで、何かビックリさせたくて、
いろいろ頭を悩ませて、もう全く一緒じゃないかと思った。
個人的レベルで見ると、どこも弱くないし、どこも強くない。
クリエイターの能力に国境なんて関係ない。
だから、もっとどんどんカンヌを狙って広告を作るべきだ。
言い訳せずにチャレンジしていけと、大人は言うじゃないか。
そしてもう一つ、デザイナーという人種の力を感じた。
全く英語が話せなくても、世界中の人の心が動かせる魔法の力。
いつの間にか手に入れてしまっているグローバルな力。
博報堂は、アートディレクターが強い。きっと世界でも珍しい位。
カンヌを獲るためにもっと活用してしまえば良いと思う。
ビッグクライアントとアイデアとアートディレクション。
もう、武器はそろっているのだと思う。
ハングリー?は大貫さんの仕事だった。次は誰の仕事だろう?
入社三年目。いまカンヌ広告祭に行けて良かった。
株式会社 博報堂 第六制作室 デザイナー 宮脇亮
明るい太陽の下だと、
人間の心はすっかり隠れてしまうのでしょうか。
カンヌのあの乾燥した空気、建物の石材、
目に映るもの全てが、影を持たず、表面の美しさしか見せません。
それは広告も同じでした。
グラフィックなり、テレビコマーシャルなり、
あらゆる広告が、事情やしがらみという影を映さない。
日当たりのいい美術館で飾られる絵のように、広告も陳列された時、
表面的なものの中へ、深刻な考えをひそませようとした僕たちは、
日の光を一番反射する作品と比べて、
ギャラリーの評価を受けることができませんでした。
全然言っていることがわからない?すみません。
山頂までの到達時間ではなく、山頂への登り方を競う競技では、
山頂へはヘリコプターで飛んで行く隊が勝つということです。
人と違う山道を探して登る隊は、
山道を登っている時点で駄目ということです。
まだブンガクしてる?
すみません。
ちゃんとコウコクをやりますから。
株式会社 博報堂 第三制作室 コピーライター 下東史明