開演挨拶
鏡 明
ACC国際委員長/ドリル
ACCのカンヌ報告会は、フイルム部門に焦点を当ててしっかりと、日本で一番早くお伝えする報告会です。
これからご登壇いただく日本代表の石田さんは、若干理不尽なところもあるカンヌの事務局に対して日本の意見をきちんと通してくれていると感じています。今年日本から15人の審査員が選出されましたが、この数が出ているのは石田さんの交渉力と、カンヌにおける信頼がバックにあると思います。
カンヌライオンズ概要報告
カンヌライオンズ日本代表
石田 眞 氏(東映エージエンシー)
今年は100カ国近い国々から1万5千人ほどの参加者がありました。
去年の1万2千から大幅に増え、広告主の参加も年々増えています。日本からは全体で450名が参加。関係者、事務方を含めると500名くらいが日本から行っていると思います。
今年は、ライオンズエンターテインメントをふたつにわけたりと全部で24部門になりました。エントリー総数は4万3千本。日本のエントリー数はまた大幅に増え、25.4%増の1736作品。これは、同じ作品でもいろんな部門にエントリーしているのべ数です。そして日本からの審査員は15名で、これも年々増えています。カンヌの事務局は、入賞もしない所に審査員の枠を与えないドライな所があるので、これが日本の実力を示していると思います。今年は日本の作品でグランプリが1つ、金が9つ、銀が12、銅が24。16部門で46のライオンを取ったということです。すごいですよね。ただ数から行くとアメリカ・イギリスにはかなわない。アジア全体では日本がナンバーワンだと思います。
カンヌは遠いし、時差もあるし、観光するところもありません。ただ、レッドカーペットの会場に一歩入れば、朝から晩までコミュニケーション漬けといいましょうか、ありとあらゆる新しいアイデアで溢れております。それを見聞きするだけで自分のスキルやアビリティを上げるのに非常に役に立つと思います。ぜひ来年はご自分の足で行っていただきたいと思います。
カンヌライオンズ フイルム部門報告
フイルム部門審査員
細川 美和子氏(電通)
フイルム部門には世界各国から22人の審査員が集まりました。フェアになるようによく考えられていて、五大陸を網羅し、女性も多いなという印象。大きな会社だけでなくインディペンデントな会社の人も審査員として来ていて、よく考えられた構成だなと思いました。審査委員長のJoe Alexanderさんからは、「Is it new?」という問いかけがありました。これから審査するものがちゃんと新しいかどうかということです。新しいというのは、定義がないので気づくのがすごく難しい。でもそのチャレンジをしっかり見つけようという話が最初にありました。
今回フイルムカテゴリーとしては①TV&Cinema Film ②Online Film ③Viral Film ④Screen&Events ⑤Branded content&Entertainment ⑥Use of filmのジャンルが大枠にありました。VRの作品も送られてきて、実際にヘッドセットを装着して視聴。でも実際の審査ではあまり枠は関係がなく、どれがフイルムとして優れているかという視点で選ばれました。今年はフイルムの応募総数が2783本。入賞はショートリストが240本、ブロンズ40本、シルバー30本、ゴールド15本、グランプリ1本の狭き門です。