ACCの活動

TOP > ACCの活動 > イベント > 「2018カンヌライオンズ報告会 ~フイルム部門をどこよりも早く、深く~」 開催レポート

グランプリ作品

PROCTER & GAMBLE「IT’S A TIDE AD」上映
近年では、今年のスーパーボウルはどんなCMが流れるかと話題になって、半分CMを見るためにテレビの前に集まるというような現象が起きています。そこで流れたのがアメリカで一番有名な洗剤のCMである「TIDE AD」。“きれいな服が映っていれば、それはTIDEのCMだ”と言いきっちゃっている。すると、この後どんなにお金をかけたほかのCMが流れても、みんなそのことがちょっと気になっちゃうという。非常にシンプルなアイデアで話題を席巻しました。さらにこのあと他社のCMが流れるんですけど、再度うまい形で自分たちのCMを紛れ込ませたんですね。こちらです。
PROCTER & GAMBLE「IT’S YET ANOTHER TIDE AD,AGAINほか2篇」上映
有名な他社のCMのパロディですね。キャラクターやサウンドデザインまで同じにして、よくこんなことができたなと。
P&G「THE TALK」
“親が子に話す差別の話”を終わらせようということ。これが流れたとたん、アメリカ中で賛否両論が巻き起こりました。僕からするとどこがいいんだろう、これまでもあったんじゃないのという感じで審査に疑問を呈したんですけど。でも、これは今までタブーとされていた警察や教育現場の領域まで踏み込んでいるんですね。深いレベルで黒人差別の話がされていて、とても勇敢でコントラバーシャルであると。P&Gはデイリー商品を扱っていて、どの人種もすべての人に、ひとりでも多く買ってほしいメーカーが、よくここまでやったと評価されました。映像としても優れていて、まるで一編の映画を観たような感動を得られる作品。フイルムが弱くなっていると言われるけれど、CMのフイルムの力ってものすごくスペクトラムがあって、ものすごく強いと感じられました。

ゴールド作品

MONDE NISSIN(THAILAND)「THE SECRET」
ラテン系の審査員は爆笑でした。シンプルだけど二転三転する裏切りがあって面白いねと。
AUDI「CLOWNS」
周りにどんなにお馬鹿で運転がヘタな人がいても守りますよということを「CLOWNPROOF」というシンプルなコピーで表現していて、それも含め非常に完成度が高く、音楽も編集も美しいということで高い評価を得ました。
APPLE「WELCOME HOME」
これはエンターテインメント・ライオンズ・フォー・ミュージックという部門でグランプリを獲っています。どこまでがCGかと思うかと思うんですけど、全部アナログです。YouTubeにメイキングが載っていて、スパイクジョーンズという有名な監督がものすごい熱量でディテールを演出しているので是非見てください。
NIKE「NOTHING BEATS A LONDONER」
今年はスポーツブランドが不調で、この作品くらいしか上位はありませんでした。これは新設されたソーシャル&インフルエンサー部門でグランプリを獲っています。ヘタうまな映像であり編集であり、出演者は一人ひとりが実在のインフルエンサーで、あえてごちゃごちゃ出てくる。この前身となるソーシャルキャンペーンのケースビデオもご覧ください。【上映】
ここでは単純にフイルムの出来として素晴らしいということで評価され、僕はすごく強くプッシュしました。映像のつくり方が2018年的というか、YouTube的というか。実はそういったヘタうまCMは数多くあるのですが、その中でも群を抜いてヘタにつくっていながらクラフトが高いという。すごく優れた、今っぽいCMのアプローチ。

UNILIEVER「GENE PROJECT 90”」
マーマイトというカンヌ常連の商品です。クセがある食品なので半数の人に嫌われている前提で、ずっと「love it, hate it」というコピーでCMをつくり続けてきていました。ついに行きつくところまで行って、遺伝子検査まで始めたというものです。一番冗談にしてはいけない遺伝子判定を、すごくイギリス的なブラックジョークにしていて僕は好きでした(笑)。
GETTY IMAGES「ENDLESS STORIES」
ゲッティのイメージだけで良質なBBCのドキュメンタリーのようなものをつくり上げています。クラフト、コピーライティング、構成力も素晴らしい。ウェブサイトに行くと映像が流れて、中の写真をクリックするとそれが買えるという仕組みがあったりと、全体的に統一された素晴らしいキャンペーンでした。
INTERNATIONAL COMMITTEE OF THE RED CROSS「HOPE」
見ていて痛ましくなるくらいよくできていて、フイルムクラフトでグランプリを獲っています。クラフト的評価、メッセージの強さ、意外な結末の見事さと、非常にパワフルなフイルムだと思います。
KASIKORNBANK PUBLIC COMPANY LIMITED「FRIENDSHIT」
定型を崩していて、目立っていました。今年はタイが大躍進していて、ゴールドを2つ、シルバーを1つ獲っています。審査員は、欧米の決まりきったストラクチャーのCMを見慣れていて、そこへ規定の形にまったく入っていないタイのものを見ると、おもしろい!とグッとくるんです。